入選
持続可能性賞
受賞:
米百俵デジタルコンテスト2020 持続可能性賞
作品番号:
300022
作品名:
マイこめ
作者名:
嶋原 百香(和歌山大学)/ 田中 桂央 (和歌山大学)/ 河村 匠馬(和歌山大学)
分類:
IoTデバイス
概要:
防犯機能付き米型端末「マイこめ」を持ち、地域全体をフィールドとした謎解きゲームにチームで挑戦します。ゲームを進めるうちに地域内の施設や店舗を実際に訪れることで、地域を知り、地域の人と交流できる、地域活性化につながるデバイスです。

受賞作品詳細

誰のためのデジタルプロダクトか

小学生を中心としたこどもと、地域活性化のために足を運んでほしい地元の人々

遊び・学び・暮らしをどう楽しくするか

各人が「マイこめ」の防犯機能付きIoTデバイスを持ち、地域全体をフィールドとしたチーム対抗謎解きゲームに参加する。謎を解くためにチームで協力して実際に足を運ぶため、他学年の子どもや地域の人との交流を生み出す。地域を知ることで楽しさが生まれ、これは人づくりや産業復興にもつながる。

デジタルでどう表現するか

マイこめは、地域全体を巻き込む謎解きゲームです。小学生全員が持つお米型端末、地域の店舗や施設でゲームを進める親機(秘田)、学校でゲームのハブとなる親機(精米所)、投稿された謎を元に様々な団体が暗号を発行したり、保護者が子どものおおまかな位置情報を得たりするためのWebアプリ、以上4つを組み合わせて、地域内で完結する持続的な地域活性化を目指しています。

試作したお米型端末は、「わくわくするローテク」「非インターネット常時接続」をコンセプトとしたIoTデバイスです。限られた情報から謎を解くことの楽しさを提供し、全ての小学生が自由に遊べるよう、スマホアプリの形をとっていません。子機や親機との無線通信に加えて、「振動」「音声発話」「赤外線通信」の機能を備えています。なかでも高専ロボコンのために開発した技術を流用した赤外線通信は、感覚的な通信手段として貴重なものとなるでしょう。

審査員の評価

人気の「謎解きゲーム」を中心に、地域全体を巻き込むストーリー設計がよくできている。ひとりでゲームを進めることはできず、チームで協力して多様な立場の人とコミュニケーションをしなければならない点が、地域内の持続的な交流を促す良い仕組みだ。イベントとの連携など、さまざまな展開も期待される。プレーヤーが持つ独自デバイスもかわいらしい。持つこと自体がゲームへの参加感や特別感を高め、楽しさを演出している。スマホに比べ、インターネットに常時接続しない小さなデバイスでできることは限られるが、不便を楽しむアイデアは、情報過多で超便利社会の現代にあって注目されている。ゲームはアプリが主流の今、シンプルなデバイスが普及する未来を想像させる、夢のある作品だ。

受賞者の声

この度は素晴らしい賞を賜り大変光栄に思います。企画では、テーマ“with KIDS”に基づき、子どもを中心とした多くの人々に向けて幅広い目線で話し合いを重ねました。地域全体が主体的に活用していくことのできる仕組みを目指してデザインしたので、そうした努力が評価されたことを非常に嬉しく思います。
今回の制作に際して協力いただいた皆様、この情勢下で作品発表の機会を生み出して下さった皆様に感謝を申し上げます。

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